USB 3.1デバイスのノイズ状況
USB 3.1デバイスの放射ノイズ状態とは何ですか?
USB 3.1 Gen 1のノイズ状況はUSB 3.0に類似していると考えられているため、USB 3.0 PCと外部HDDを接続すると放射ノイズが観測されました(下の図1)。
Type A-Type BおよびType C-Type C接続ケーブルを使用しました。どちらにも不要な放射ノイズのための調整値内のノイズレベルがあったたえ、これは問題ではありませんでした。
これらの結果を考慮すると、MurataはUSB 3.1デバイスにノイズ抑制が必要かどうか確認する必要があるとの結論にいたりました。実際に、不要な放射のノイズ規制とは異なる理由からノイズ抑制が必要です。
図1
USB 3.0機能放射ノイズ
USB 3.1デバイスにおけるノイズ問題
ますます多く、デジタルデバイスにはスマートフォンのような通信機能が搭載されています。スマートフォンには、小型フレーム内に構築されたさまざまなデジタル回路が搭載されており、これらの回路はデジタルノイズを発生させます。
このノイズがスマートフォンのアンテナに入ると、基地局からの電波と混合し受信感度の低下を招きかねません。通常は、ノイズがデジタルボードから直接アンテナに入ることを防止するための十分な対策がとられます。しかし、USBまたは他のインターフェイス・ケーブルがスマートフォンに接続されていると、そのケーブルが放射源となるため、アンテナに入るノイズが増加して受信感度が低下します。
通信の例
ノイズの比較
図2(以下)は、シンプルな計測環境で計測されたLTE受信ブロックアンテナに入るノイズを示しています。これは、USBケーブルが接続されるとノイズレベルが約20dB上昇することを示しています。
図2
USB 3.1デバイスのノイズ抑制
USB 3.1デバイスの効果的なノイズ抑制の方法は、コネクタにノイズフィルタを適用することです。しかし、信号線では高速差動信号が流れ、使用されるフィルタが信号の品質に悪影響を与えないように注意する必要があります。
コモンモード・ノイズ・フィルタは、差動信号にほとんど影響を与えないノイズフィルタの一種で、放射ノイズの主な原因となるコモンモードノイズを効果的に除去できます。そのため、Murataのコモンモード・ノイズ・フィルタ(USB 3.1用)は、差動信号ライン・ペアに挿入されます(下の図3)。
コモンモード・ノイズ・フィルタの使用によって、アンテナに入るノイズレベルを最大10dBまで低減できるようになります(下の図4)。
図3
コモンモード・ノイズ・フィルタの挿入場所
図4
コモンモード・ノイズ・フィルタのノイズ低減効果
追加対策 - GNDの改善
ノイズフィルタの使用以外の対策も取られ、ノイズレベルもさらに向上しました。USBケーブルは、容易にノイズを放射しないツイストペア構造を使用して信号の差動送信を実行します。
一方で、ケーブルシールディングに入るノイズはシールディングから放射される可能性があるため、GNDは対策として改善されました。
計測されたデバイスでは、USBコネクタとボードが本来は1本のネジと複数のフィンガガスケットを使用して接続されていました。
USBコネクタ・フレームとスマートフォン・ボードGNDは銅箔テープを使用して接続されており、強力な接続性を発揮しインピーダンスが低減しています(下の図5)。
GNDの改善によって、ノイズレベルがおよそ6dBから8dBに減少しました。
図5
GND改善の効果
追加対策 - ケーブルの交換
異なるUSBケーブルでは、放射ノイズレベルも異なる場合があります。
本来デバイスに付属していたUSBケーブルは、別の市販のUSBケーブルに変更されました。図6 (下記)は結果を示しています。この場合、付属ケーブルのノイズレベルは低く、最大で10dBの差があります。これは、適切なケーブルを選択することがノイズ抑制にとって重要であることを示しています。
図6
ケーブルによるノイズレベルの違い
概要
さまざまな対策によって、アンテナに入るノイズが最大20dB低減されました。また、ボードによって違いはありますがLTE受信感度がおよそ8dB向上しています(下の図7)。
これによって、USBケーブルを接続した場合の受信レベルが向上し、結果としてUSBデバイスのサービス範囲の縮小をまぬがれました。
対策の中身:
• コモンモード・ノイズフィルタを挿入する
• GNDを改善する
• 適切なUSBケーブルを選択する
図7
対策結果の概要
コミュニティフォーラム
Murataコミュニティフォーラムは、さまざまなディスカッショントピック、人気のブログ、記事をはじめとする検索可能なコンテンツを提供しています。Murataの幅広い市場サポートチームは、未解決の課題について話し合うために定期的にレビューを実施し、問い合わせにタイムリーに回答できるようにしています。フォーラムのコンテンツは無料で公開されています。ただし、質問や回答を投稿するユーザーはログインする必要があります。登録は無料です。

